Overcoming objections
断りを乗り越える

Liz DeCarlo

お客さまの 'no’ はコミュニケーションや説明や指導不足のサインかもしれません。

新規のお客さまのアポイントメントがやっと確定して自分が設計したプランを説明するチャンスが到来しました。苦労して作成した資料が喝采を浴びるのを待っているのに、お客さまは冷たく「少し考えさせてほしい」とおっしゃいました。ファイナンシャル・アドバイザーにとって断りは仕事の一部とも言えますが、がっかりするのは当然です。しかし、一部のアドバイザーは断りを好機と受け止めています。

断りを受ける理由は多々ありますが、思っているより多くのケースで相手は理解したと思っていてもアドバイザーのコミュニケーション不足が起因しているようです。クライアントは知識不足や理解できないことを伝える代わりに自衛手段として断ることがあると、19年MDRT会員でニューハンプシャー州Exeterを拠点とするGregory B. Gagne, ChFCは述べました。

「理解度をチェックする方法としては、私の説明したことをご自分の言葉で説明してみてくださいとお願いすることにしています。一緒に取り組むことにより、断りの壁はなくなり、共に考える仲間になることができます。押しつけられることを好む人はいません。お客さまは断ることによって主導権を握ろうとしていることもあります」

断り対応に必要なのは商品の特徴を教えることかもしれません。数値的な情報やご夫婦そろっての面談、ビジネス・パートナーを交えた面談を設定することが解決策になることもあります。他のMDRT会員もさまざまな方法で断りを乗り越えています。

お客さまは商品やプランを理解していない

「もしかするとアドバイザーがキーポイントを言い忘れているかもしれません。お客さま固有の状況を考慮せずに解決策を提示しているのかもしれません」と述べるのはカリフォルニア州サンフランシスコで活躍する8年間MDRT会員のWilliam Marvin Richardson III, CLU, CFPです。逸話、事例など説明の方法を工夫するべきです。どのように役立つかに注力した説明が求められることが多いです。

決められない

「私のお気に入りのクロージングは申込書を表示してコンピュータの画面を見た状態でお客さまに、お名前のスペルは合っていますか?と聞くことです。特に断る理由はないのにYesと言う決心がついていない方もいらっしゃいます」と言うのは、カナダ、オンタリオ州の30年間MDRT会員Frank W. Andreoli, RFCです。

お金がありません

これはむしろ見込客探しの問題だと言うのはノースカロライナ州Charlotteの38年会員のWalter F. Putnam, CFP, CLUです。「もし本当にお金がない方であれば、支払い能力のある見込客を得る方法を編み出すことが先決です」と述べました。

しっかり話し合う

「ご夫婦であればむしろおふたりで話をする機会を設けることが大事だと私は考えています。これまで結婚生活を続けてきたのに、この場に及んで急に大きな決断を迫られても即決できるはずがありません」とGagneは言います。

そしてアドバイザーがいる場面でおふたりに話をしていただくのは得策ではありません。話し合いがそのポイントに至ったところで、何らかの理由を設けて自分が会議室を出ていき、おふたりで話をする時間を提供するべきです。

退席するとすぐに会話が始まるとGagneは言います。「会議室に戻ると、おふたりの方から次のステップは何ですか、と言われることが多いです。おふたりに話をする時間を与えることで自動的にクロージングができるというわけです」

忙し過ぎる

一番よく聞く断りは断りとも言えないかもしれません。「考えさせてください」や「今は忙しくて」ではないでしょうか。バージニア州Norfolkの10年間会員Matthew T. Hoesly, CFP, ChFCによると、見込客の話を聞いてから3回フォローしてもまだこう言われた時は「ではこの件はいったん終了したということにして、状況が変わりこのプランを実行しようと思われるか、タイミングの良いところでご連絡をください」とお願いします。多くの場合、お客さまはこちらから終了宣言されると思っていないので、プランの実行に踏み切ってくださいます。一方、終了扱いで構わないというお客さまであれば自分の時間を無駄にすることなく、ここまでにします。

まだ若いから保険はいらない

「そう言われたら、何歳になったら保険が必要になるとお考えですか」と聞きます。ミシシッピー州Jacksonの42年間会員、H. Larry Fortenberry, CLU, ChFCは現在加入の保険料とその年齢に達してからの保険料を示します。保険料の違いを伝えてから「どうして保険料が高額になるまで待つのですか。今開始したほうが安いです」と伝えます。